遺言でできる行為は法律で定められています。そのため、法律で定められていない行為は、法的な効力は生じることがありません。つまり、法律で定められた行為でない行為を遺言書に書いても、それを強制する力はありません。そこで、下記に法律で定められている遺言書に書ける事項をご紹介します。
相続の法定事項の修正に関する事項
推定相続人の廃除
被相続人に対し、虐待、重大な侮辱、著しい非行があった場合に、相続人となる者の相続権を失わせることができます。
推定相続人の廃除の取り消し
先祖の祭祀主宰者の指定
お墓などを承継する人を指定することができます。
相続分の指定
法定相続分とは違う相続分で相続させたいときに、各相続人の相続分を決めることができます。
特別受益の持ち戻しの免除
特別受益者は、被相続人から生前に受けた特別受益も相続を受けた一部とみなされ、相続できる財産が減少するのが原則ですが、これと異なる指示をすることができます。
遺産分割方法の指定
通常の遺言書で皆さんが書くことは、たいていがこのことでしょう。「誰に何を相続させる」といった内容の事を遺産分割方法の指定といいます。
遺産分割の禁止
一定期間の遺産分割の禁止を指示することもできます。
遺産分割における担保責任に関する別段の定め
遺産分割で取得した財産に瑕疵があった場合に、相続人はその責任を負担することになりますが、その責任についても細かく指示することができます。
遺贈の減殺方法に関する別段の定め
遺留分減殺請求は、目的価格の割合に応じて減殺するのが原則ですが、それとは別の方法で減殺請求することを指示することができます。
相続以外の財産処分に関する事項
遺贈
相続人以外の者に財産を譲ることができます。
相続財産に属しない権利の遺贈についての別段の意思表示
財団法人設立のための寄付行為
信託の設定
生命保険金の受取人の変更
身分関係に関する事項
認知
未成年後見人の指定
未成年後見監督人の指定
遺言の執行に関する事項
遺言執行者の指定
遺言書の指示通りに財産を管理し分配する執行者を選任することができます。